プロポーズは突然に。





彼は、何も言わずに涙を流す私をソッと抱きしめてくれた。


優しくて、温かくて…

それが苦しくて、苦しくて、苦しくて。




「私が可哀想だから一緒にいてくれてるの…?」



もう思いを隠すことができなかった。




「いっぱいお金持ってるんだから私の過去を全て調べるくらい簡単だよね…それか父のお葬式で何か聞いた…?」



どこまでも可愛くなくて、ひねくれてて、彼のその真っ直ぐな愛を信じることが怖くて。




「同情…?哀れみ…?そうなんだよね…?」




だけど本当は、誰よりも愛に貪欲で。


誰かに愛されたくて、誰かに必要とされたくて、誰かに求められたくて。


だけど、誰も何もくれなかったから。


だからいつだって他人と距離を取って付き合ってきたんだ。

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