プロポーズは突然に。






静かに笑う私に、彼は真顔を貫き、



「何がおもしろい?」



なんて聞くからますます笑ってしまった。




「肉まんとか食べるんだなーって。意外と庶民派だね」

「いや、初めて食べた。レジのとこにあって気になったから」

「…ゴホッ、そ、そうなの…?」

「あぁ。コンビニにも今日初めて入った。結構便利だな」

「そう、だね…」




やっぱり彼は私とは住む世界が違う人間だ。

それなのに…



「おまえといると、世界が広がったみたいで楽しい」




全身ブランドに包まれた彼が、全然似合わない肉まんを食べながらそんなことを言うから、




「だから…ずっとおまえと一緒にいたい」




決して無理して私に合わせてくれてるわけでもなく、

いつだって自然と私と同じ目線に立って、

歩幅を合わせてくれて、

絶対に嘘ではない瞳でそう言ってくれるから。




ただただ……涙が溢れた。


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