プロポーズは突然に。
『メイクとか、興味ないのか?』
『まだあんまり…口紅くらいはしたいんですけど、自分に似合う色とか分からなくて』
彼女は、また下手くそな笑顔を作りながらそう言った。
この頃、ちょうど色彩の勉強をしていた俺はカラーの知識もありアドバイスの意味も込めて再び雑誌を開いて、それを見せた。
『見た感じ、おまえは色白のブルーベース肌だから…ベリー系とかローズ系がしっくり来ると思う。ほら、こんな感じの色』
『わ…綺麗な色』
将来、自分が背負うブランドの口紅。
ローズカラーのそれを塗ったモデルのページを開き、指をさすと、彼女は身を乗り出すようにしてそれを見ていた。
普通の女の子って感じの反応をした彼女に…少しだけホッとした。