プロポーズは突然に。
「結婚なんて所詮紙切れ一枚で繋がっただけの関係。だったら一緒にいて楽な相手を選ぶべきだろ?」
彼がそう問えば、コクリと頷く私がいる。
所詮紙切れ一枚で繋がっただけの関係。
彼のその言葉は、結婚なんて大したことではないと言っているようにも取れる。
紙切れ一枚、重みがない。そんな薄っぺらい関係。
開き直ってしまえば、この人と結婚したところで苗字と住む家が変わるだけ。
後は今まで通りの生活ができるんだ。
仕事の面で考えても悪いことは一つもない。
私も彼もお互いに利用価値があるわけだし…
結婚と考えずに割り切って居候とでも思えば何とかやっていけるだろう。
頭ではそう思うものの、それは私の人生を左右する決断なわけで…
簡単に“YES”とは…言えない。
「少し…考える時間がほしいです」
恋愛、結婚…
自分には無縁だと思っていることをいつまでも考えることほど苦痛なことはない。
「来週には誕生日を迎える。あと三日後までに決めてくれ」
「…分かりました」
「断ったら仕事の付き合いもなくなる覚悟はしておけよ」
「…はい」