プロポーズは突然に。




やっぱり結婚っていうのは、私が思っている通り自分を犠牲にしないといけないんだ。


見返りを求めず他人に尽くすわけだから、得るものなんて当然一つもない。


そこにあるのは我慢と、苦痛と…後悔だけ。




「だからね、桃華。結婚は好きな人とじゃなくて尊敬できる人とした方がいいよ」

「尊敬…できる人?」

「そう。ちゃんと自分を持ってて、且つ自分らしくいさせてくれる人。あと一緒にいて居心地がいいってのも重要!」




自分らしくいさせてくれる人…か。


彼は結婚しても仕事は続けていいし好きなことは我慢せずにしてもいいって言ってた。


それに、冷徹だけど自分をしっかり持ってるし仕事だってできる。


そういう面では尊敬できて自分らしくいさせてくれる人、には当てはまるけど…



「…私が結婚願望ないの知ってるでしょ?一人が気楽で好きなんだから結婚なんてしたくない」

「またそんなこと言って…早くいい人見つけて、お父さんとお母さん安心させてあげないと」

「…」

「それにほら…オーナーだって桃華の幸せを願ってるんじゃないの?」

「…」



この話題になると、いつも私は何も言えなくなる。


結婚って…自分のためではなく、誰かのためにするものなのだろうか。



< 52 / 370 >

この作品をシェア

pagetop