プロポーズは突然に。
「よっし!ヒット!!」
「…」
ここは、私が頻繁に通うバッティングセンター。
悩んだとき、落ち込んだとき、迷ったときはいつもここに来てとにかく無心にバットを振り続ける。
まさにストレス発散には持ってこいの場所なのだ。
でも…
「随分楽しそうだったな」
「まぁ…スカッとするにはこれが一番ですから」
「ふーん…」
彼のようにブランド物のスーツを着ている人がここのベンチに座っている姿は違和感でしかない。
まさか本当に来るなんて…
「それで…何のご用ですか?」
「今すぐ婚姻届を書いてほしい」
「今すぐ…?」
返事は三日後と言っていたのにどうして急に…
「急な仕事で父が明後日から海外に行く事になったんだ。暫くこっちには戻ってこないから明日の夜、桃華を紹介する約束をした」
「まだ返事もしてないのにそんな勝手なこと…」
「俺はおまえと結婚する。返事も“YES”以外は認めない」
そう言って立ち上がった彼の威圧感は相変わらず尻込みするレベルだ。