秘密の恋は1年後
千堂家、プラス私でウッドテーブルを囲む。
お父様が料理担当と決まっているらしく、お肉や焼きそば、野菜串などを手際よく次々にお皿に盛っている。
「それで、尚斗はいつ結婚するんだ?」
「まぁ、そのうち」
「ダメよ、そのうちじゃ」
尚斗さんが愛斗さんの質問に答えると、お母様が急かす。
実家にいる時の彼は、いつにも増して弟の顔をするので、それもまた彼のかわいい一面を見ているようで楽しい。
「まだ会社に報告してないんだろ?」
「あぁ。俺はいいけど、まひるが働きにくくなるかもしれないしな」
「ちゃんと守ってやれよ?」
「わかってる」
尚斗さんの言葉が、ことごとく私の胸を揺らすから、会話に頬を赤らめずにいられない。
「尚斗さん」
「ん?」
「あの……私たちって、結婚するんですか?」
「……そのつもりだろ? お前も」
それとなく話に混ざってみたら、いつもの彼らしい返事が返された。
だけど、それと同時に、彼の耳を赤くなっていることに気付き、愛斗さんと視線を交わして微笑み合った。