クールな社長の耽溺ジェラシー
「正司さんに勝って、ちゃんと小夏をものにしたいから」
「え? 私、新野さんの彼女ですよ? 正司さんを好きなわけじゃ……」
「そういう意味じゃない」
私を見下ろした新野さんが、ゆっくりと手を伸ばして私の前髪をすいた。そのまま頬に触れられ、首筋を指が滑っていく。
体がじわじわと熱くなり、視界も感覚も、神経さえも全部が新野さんの一挙手一投足に集中した。
新野さんの言いたいことが伝わってくる。
私にとっては心の繋がりがあるんだからさきへ進んでも構わないのに、新野さんの中ではけじめのようなものがあるのかもしれない。
「私には新野さんだけです」
困っているなら助けたいし、悩んでいるなら一緒に考えたい。なにもできなくても、なにかしたいと思ったのは新野さんが初めてだった。
それこそ正司さんが悩んでいるときにも、なにかしてあげたいと考えたことはなかったし、ただそばで見ていることを選んだ。
なのに、新野さんのことは見ているだけじゃ物足りない。
“そばにいたい”と“そばで見ていたい”は似ているようで随分違うみたいだ。
「……私は新野さんの照明、すごく好きですよ。……もちろん、新野さん自身も」
新野さんに抱き着き、胸に顔を埋める。
「おい……いま言うのは反則だろ」
ため息混じりの声は参っているようだけど、いやではなさそうだった。
「大丈夫です。なにがあっても……そばにいます」
背中に回した手に力を込めると、新野さんの体温がより強く感じて、愛おしさが胸に溢れた。