クールな社長の耽溺ジェラシー
約束した金曜の夜。
仕事が終わるといつもそのまま会社を出るけれど、今日はきちんとメイク直しをして、髪までセットした。
秋から冬に変わるいまの季節は肌寒く、柔らかな淡い色のセーターに薄手のコートを羽織り、ふわりとしたスカートを穿いて、足元はローヒールのパンプスを合わせる。
うん、デートっぽい。
満足して電車に乗り、待ち合わせの駅前へ向かった。
街灯や飲食店のライトで明るく照らされた駅前の大通りは、多くの人が行き交っていて、夕を探すより電話したほうが早そうだった。
バッグからスマホを取り出そうとしていると、すらりと背の高い男性が目の前の建物の壁にもたれて立っているのが視界に入った。新野さんだ。
「あ、にいの……」
しかし、名前を呼ぼうとしたとき、ふたり組の女性が新野さんに声をかけた。
どちらもファッション雑誌から飛びだしてきたようにオシャレで、スタイルもよくてかわいらしい。小さくて子どもっぽい私とは正反対だった。
女性たちはにこにこと笑顔を振りまいているのに対し、新野さんはにこりともせず淡々と話をしている。
だけど迷惑そうにもせず、無駄に追い払うこともしないので、女性たちは真顔の新野さんを気にすることもなく話し続けていた。
これは私が止めに入ったほうがいいのか……でも、近づきにくいかな、と躊躇していると新野さんのほうが私に気づいた。