クールな社長の耽溺ジェラシー
「夕?」
どうしたのかと顔を覗きこむと、目の前に四角く小さな箱が差しだされた。
「……そ、それって」
誰からももらったことはないけれど、なぜか知っている。そこに、未来の幸せがあることを――。
「小夏を妻にしたい」
夕が箱を開け、リングの形をした幸せを見せてくれた。それはスイートルームのシャンデリアに照らされ、キラキラと眩しい輝きを放っている。
「俺と結婚してくれないか?」
「っ、……ん、はい……」
こんなときなのに嬉しくて声が出ない。こくこくと何度もうなずくと、左手を持ちあげられ、薬指にそっとリングをはめてくれた。
目の前が一気に滲みだし、リングが見たいのに見えない。
涙を拭うと、薄暗い照明のなか、リングはいままで見てきたどんなライトよりも眩しく、美しく輝いていた。
「よろしくな」
「こちらこそ、お願いします」
涙声で答えると、夕は頬に流れた滴を唇で拭ってくれる。
「大切にする、ずっと」
まるで誓いのキスみたいにそっと唇を重ねると、ベッドへ押し倒され、今夜も愛される予感に目を瞑る。
「ねぇ……夕って意外と情熱的だよね」
「そうさせてるのは小夏だけどな」
ふたりで笑い合い、どちらからともなく唇を寄せる。
「愛してる」
リングが輝く手に、夕の手が重なる。幸せな未来はこうしてふたりの手でつくっていく。明るく照らしながら、ずっと――。

