クールな社長の耽溺ジェラシー
「大丈夫です。あの、なにかあったんですか?」
≪なにもないよ。小夏が喜んでるだろうなって思ったから電話した。……よかったな。正司さんに頼み込んだのか?≫
自分こそ頭を下げて頼み込んでいたのに、そのことは一切口にしない。実に新野さんらしくて、顔が見えないことをいいことにちょっとだけ笑ってしまった。
「はい、少しだけ……。そのときに正司さんから、例の話も聞きました。……バカなことをしたって、後悔しているみたいでした」
≪……そうか≫
無関心そうな相づちには温かみがあり、正司さんを責めるつもりはないことが伝わってきてホッとした。
≪話は変わるけど……小夏、明日空いてないか?≫
「えっ、な、なんですか急に……」
≪飯、行こう≫
思わぬ誘いにドキリと胸が跳ねる。
≪前にライティングをやったレストランのオーナーから、来てほしいって声かけられて。前から言われてたんだが、ひとりで飯食ってもつまらないし≫
「あ、でも……すみません。明日は遅くまで打ち合わせが入っているんです」
申し訳なさに残念さも混じる。新野さんと行きたかったのか、それとも照明が見たかったのか、正直わからない。