十人の住人
22歳 1月17日①

一週間ぶりに彼に会いに行った。
前よりは体重が増えたそうだ。
少し安心した私がいた。

しばらく談笑したあとに

「この間はなんだったの?
なにかいいかけてたよね?」

と聞いてくれた。
嬉しい反面、苦しかった。
なんて言葉にしたらいいかわからなかった。

「ゆっくりでいいから話してごらん?」

良樹がそういった。
私はびっくりした。
まさかそんな言葉をかけられるなんて思っていなかったから。
私は開かない口を開け、話し始めた。
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