生徒だけど寮母やります!3
なんとかします!
翌朝
景たちのクラス2年4組では、黒板のちょうど中央にて月沼と結斗が対峙していた
「伊吹おはよう。.......コレどう言うこと?」
「おはよう月沼、それは、まぁそう言うわけだから、悪いけどよろしく。みんなも」
「......あんたバカなの?これ以上......コトを荒立ててどうする、つもり、よ」
「どうしたの月沼?波屋さんみたい」
それもそのはず、月沼は困ったようにぎこちなく視線を自身の後方へと向ける
彼の背後には親の仇にでも出くわしたかのような鋭い目つきをした有姫が、腰をかがめて月沼の肩越しに結斗を睨んでいた
彼女の口はぱくぱくと動き何かを囁く
「.........、.........!?..........。...!!...!!」
「......あんた、魔術科も敵にするわよ!?昨日は景まで敵に売って、味方なんかいないわここに、敵よ!!敵!!」
なるべく有姫の感情を再現しながら月沼が代弁したところで
「自分で言ったらええやん」
と他人の席に足を組んで座っていた鈴菜が首を傾げた
そんな彼女の隣に立っていた景は、事の発端であるプリントを見ながら口をへの字に曲げる
「まぁ私は昨日のことは怒ってないんだけど。これうまく行くかなぁ結斗」
結斗によってつい先程配布されたプリントに書かれている内容
それは
『魔術科生徒はアメリカを行き先とする修学旅行の実施にあたって、一名につき妖術科生徒一名の承諾とそれを証明する署名を得ること。
得られなかった場合は、その者に限り行き先を国内とする。
また、妖術科生徒が署名をできる魔術科生徒は一名のみとする』
であった