気がつけば・・・愛

お喋りを続けたくて
聞かれてもいないのに自分のことを話す

ポツリ...ポツリと溢すつまらない主婦の日常を

住職は笑顔でなんども頷きながら耳を傾けてくれた


「もし...お時間があるなら
今日カメラを取りに来られますか?」


嬉しい提案をしてくれた


それは瞬時に表情も変える


「ついでに読経と...」


ーー行きたいーー

話の途中で「はい」
笑顔を向けた


「ご住職は...車ですか?」


「いえ、私はバスです」

だったら・・・
「よろしければ私の車でお寺まで...」


「ありがとうございます。ではお言葉に甘えて」

デートが決まったかのように
弾む胸と下がる目尻

住職が本を返却する間に
車を回すと...

ルームミラーで化粧を確認した
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