season
「はい、それじゃあ始めてー。」



一斉に答案用紙をひっくり返し、紙の音が重なる。



そして、黙々と問題を解いていくのだけれど…




春馬くんが、廊下側の列から順に歩いて回っているのが、すっごく気になってしまう。




あ、もうすぐ…




もうすぐ、私の横を通る…。








ーーーぽん…




ほんの、ほんの一瞬だけ…



私の頭に、手をぽんと乗せてくれた。




それだけのことなのに、胸がキュンとする。




ああ、もう好き。



大好き。




こんなにどうしようもなく人を好きになるなんて思わなかった。



こんな気持ちは、本当に初めてで…




秋山先生とのことが、恋じゃなかったんじゃないかってくらい、ドキドキが違うと感じた。



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