season
その日の夜。



合鍵で春馬くんの家に入り、夕飯を用意していると、春馬くんが帰ってきた。




「おかえり、春馬くん。」




「ただいま。んー、いい匂い!」





あ…まただ。



また、キュンとした。




最近…変かも、私。



春馬くんの一挙一動に胸がキュンとして…



触れたい、キスしたいって…思ってしまう。





「…ナツ?」



微動だにしない私を不思議に思ってか、春馬くんが私の顔を覗き込むように見ていた。



「あ、ごめん!ご飯できてるから、すぐ用意するね!」



そう言って春馬くんに背を向けた瞬間、お腹に腕を回され、グイッと引き寄せられた。




「ど、どうしたの?」



「こうしたかっただけ。」




背後から抱きしめられ、耳元で甘く囁かれる。





私だって触れたかったよ。



だけど、それを言っていいのかな…。




一人で悶々と考えていると、困ってると受け取ったのか、春馬くんが私からパッと離れた。




「ごめんごめん。さ、ナツの手料理頂こうかな。」



そんな春馬くんのジャージの裾を…




「ま、待って!」




…引っ張ってしまった。


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