season
愛おしいキモチ
春馬くんの家を出て、3人で夜道を歩く。



行きの時の息がつまるような時間はなくて、帰り道は、昔の私たちに戻れたような穏やかな空気が流れていた。





そんな時だった。




春馬くんからメールが届く。




“ナツ、忘れ物してるよ”




「…ん?」



思わず立ち止まった私に、菜々子が首を傾げる。




「夏海どうしたの?」




「春馬くんの家に忘れ物しちゃったみたい、私。」



そう言いながら、メールの画面を二人に見せる。




「相変わらず夏海はおっちょこちょいだなぁ〜。待ってるから、取ってこいよ。」




呆れながらも笑う大貴に、少し安心した私。




すると、菜々子が大貴の腕を引っ張りながら言った。




「あたしたち先に帰るね。夏海は先生に送ってもらいなよ!」




「え、なんでだよ!」




聞き返す大貴には御構いなしで、菜々子はずんずんと歩いて行ってしまった。




菜々子…気を使ってくれたのかな?





そりゃ、忘れ物取りに戻ったら…




ちょこっとは、春馬くんと一緒にいたいもの。



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