Sweet moments ~甘いひと時~
表情を確認すべくゆっくりと顔を上げると、いつもと変わらない彼の姿。
それを見て、一気に緊張の糸が解けた。
同時に恥ずかしい気持ちになった。
自意識過剰だった。
「はい、ありがとうございますっ。お待ち帰りになりますか?それともこちらで召し上がられますか?」
「食べて行きます。」
「では、、ご準備致しますので、お掛けになってお待ちください。」
いつも変わらないやり取りを交わすと、彼は定位置に向かって歩いていった。
席に着いたのを確認してからショーケースからケーキを取り出し、コーヒーを入れる。
良かった。
普通に出来た。
折角彼は気づいていないのだから、こちらが変に意識してしまう必要なんてない。
そんな事を思いながら準備をしている自分の姿をじっと見られていたなんてこの時は全く気づいていなかった。