Sweet moments ~甘いひと時~
すると願いも虚しく、やんわりとその手を振り解かれた。
その事がショックで涙が滲む。
「、、、、さすが前園君。君は見る目があるのう?ただ、彼女を落とすのは至難の技じゃよ?それでも彼女がいいと言うなら、頑張ってみるといい。私は応援するぞ?」
真剣な口調になった間宮社長は、そういって私を彼の前に差し出した。
彼の前に少し乱暴に背中を押され、涙で前が見えない中床を見つめた。
するとボヤける視界に大きな手が入った。
「ではいきましょう。〝蘭さん〟?」
いつも無表情の彼のものとは思えないくらい優しい声が聞こえて顔を上げた。