バイバイ☆ダーリン　恋心編　　番外編完結しました
優花はスマホの呼び出し音を聞いて驚いた。

何故なら、3年前は毎日聞いていた理人専用の音だったからだ。

5回鳴ったところで、正気に戻って電話に出てみる。

『もしもし…』

やっとのことで、声を振り絞って出した優花に、電話の相手は優花と呼んだ。

元気だったか、体調はどうか、自分はアメリカに留学して3年になることなどを、以前優花に話し掛けていた時のように、優しく優しく話す。

突如として涙が溢れて話すこともままならなくなってしまった優花は、ただ理人の名前を言うだけだった。

暫く沈黙が続いて、理人が自分の不甲斐なさのせいで、傷つけて悪かったと呟いた。

そして、愛していたんだと、あの時の態度を詫びる理人に、優花はごめんなさいと、今でもずっと理人だけを思っていると伝えると、嗚咽を漏らして子供みたいに泣きじゃくる。

理人も涙声になって、愛していると応える。

また近いうちに、お互いに成長した姿を見せ合おうと、涙ながらに約束をするのだった。
< 100 / 150 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop