バイバイ☆ダーリン 恋心編  番外編完結しました
さて、アメリカ留学中の理人はと言うと、実家の料亭の米国シカゴ店の開店に向けて、頑張っているところだ。

料理人は生え抜きの人間を日本の料亭から連れて来るので、全く心配ないのだが…。

仲居さん達は、昨日の今日で、料亭のサービスを提供出来るはずもなく、ただ今特訓中であるが、元々は日本人留学生であるので、最低限の躾は行き届いており、何とか開店までには間に合いそうだ。

特に、幼い頃からアメリカで過ごした例の彼女は、日本に帰った時に困らないようにと、在米中母親に厳しく躾けられて、普通に日本で過ごしていた人間よりも全てにおいて行き届いているくらいだ。

彼女は上條美桜(カミジョウミオ)と言い、まだ19歳の女の子で、料亭の仲居さんとしてアルバイトではあるけれど、何とかやって行けそうだと、多少の自信も出て来たようだ。

理人は目を細めて彼女を眺める。

とても可愛らしい容姿で、まだ高校生と言っても良いくらいで、本当にアメリカでやって行けるのかと、却って理人が心配になる程にナイーブな子なのだから。

色々美桜のことを考えている自分に気付いて、ビックリしているところで、

『あれ?俺の今までの女の好みって、美人でナイスバディーな子だったような…』

理人本人も驚いているくらいのことなので、まさかな…と取り敢えず、恋愛感情云々は否定しておこうと、自分に言い聞かせて開店のために全力を尽くすことにした。


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