お見合いだけど、恋することからはじめよう

「……それは、なかなかの……呼び方だな……」

すぐに元の田中さんに戻ったが。
それでも、こころなしか、まだ耳だけは赤い。

「い、いきなり、ごめんなさいっ!
調子に乗りすぎましたっ!
この前、呑みに行った同期の人が、昔そう呼ばれてたみたいで、ふざけて呼んでたんですっ!
……もっと真面目に考えますっ!!」

我に返ったわたしは叫んだ。

歳上の、しかも三十過ぎた人に対して失礼極まりない。

母親から言われた『諒志さんに失礼のないようにね』という言葉が耳にこだまする。


……また、やってしまった。

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