お見合いだけど、恋することからはじめよう

そう思ったら、なんだか急に喉が渇いたような気がして、ホルダーからミニッツメイドのカップを取って、ストローでちゅうぅっと飲んだ。

……とりあえず、今は「あたしと」デート中だ。

余計なことを考えて、せっかくの楽しい時間を台無しにしてはいけない。


そのとき、照明が落とされて、周囲がすーっと暗くなっていった。

「……もうすぐ、始まるな」

諒くんがあたしの耳元に口を寄せてささやいた。
ラーメン博物館ではテーブルの対面に座っていたから、彼がこんなに近くにいるのは初めてだ。

……なんだか、すっごく耳に心地よく響く声、なんですけれども。

……やだっ、なんだか、胸がどきどきしてきた。

あたしは突然高鳴る鼓動を紛らわすように、前方のスクリーンに目を向けた。

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