お見合いだけど、恋することからはじめよう
「ふん、今さらあんなヤツになんか言いたいことなんて、なぁーんにもないわ」
久城さんはいっさい怯むことなく、さらりと言い返した。
「……でも、諒志、彼女がすっごい退いちゃってるけど、大丈夫かしら?」
すると、諒くんがハッとした顔で、青ざめてフリーズしていたあたしの方に振り向いた。
「ななみん、違うんだ。聞いてくれ。
久城は大学時代にいろんな大学を交えてテニスサークルをつくったときのメンバーなんだ。
……あっ、おれは高校まではバスケ部でキャプテンもやってたけど、釣書に書いたから知ってるよな?……それで、一緒にサークルをつくったおれの中高一貫校時代からの親友の二人のうちの一人で、この松波屋の跡取り息子の御曹司でありながら、医者になって現在イギリスで留学中の、松波 恭介の元カノが久城なんだ。こんなヤツがおれの元カノでは断じてない。信じてくれ。
……あっ、ちなみにもう一人のヤツは弁護士なんだけど、そのうち、ななみんに紹介するから」
……久城さんが、諒くんの元カノじゃないのはわかりました。
でも、なんだかほかにも(余計な)「情報」がぶっ込んであって、おバカなあたしの頭にはまったく入ってこないんですけれども。
まぁ、あたしも大学時代には、通っていた女子大以外の人とも交流しなきゃな、と思ってイベント系のサークルに入っていたけどね。
それと……
「官僚」の親友は「医者」と「弁護士」のような、やっぱりハイスペックな方々なのね。