お見合いだけど、恋することからはじめよう

『一ヶ月ほど前、ちょうどうちの父が東京の本社に来たときに赤木さんに会って、わたしとの結婚の申し入れをしたの』

……名古屋の「自動車」にいる武田専務だ。

『彼はそのとき「少し考えさせてほしい」って言ったんだけど、その一週間後、承諾の返事をしてくれたわ』

……そういえば、この一ヶ月は『仕事が忙しいから』と言われて会社で顔を見るくらいだった。

『そして、会社での立場もあるから「ちゃんとした」形でお話を進めましょう、ということになって「お見合い」したの。
わたしもあなたのことは気になってたから、二人きりになったときに、赤木さんに聞いたわ。
「七海ちゃんとはどうなってるんですか?」
って……そしたら』

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