お見合いだけど、恋することからはじめよう
「本当だよ!おれは副社長のおかげで、本社に戻ってこられたんだぜ?」
副社長の「印籠」の効果は絶大だったようだ。
「それに……せっかく、桃子から逃れられる絶好の機会だってのに、副社長を怒らせて元の木阿弥にするわけにはいかないからな」
だが、「桃子」という言葉を聞いて、あたしの目がすーっと細くなる。
「赤木さん、先刻あたしに、
『真っ新な気持ちで、はじめてみないか』
なんて、フザけたことを言ってたけど……」
そうだ、これだけは聞いておかなければ。
「……桃子さんとは、いったい、どうなってるんですか?」