お見合いだけど、恋することからはじめよう
『こんな時間に、ななみんをたった一人で渋谷になんか置いておけないだろう?』
スマホの向こうの諒くんは、もどかしげに言い放った。
『いいか、コンビニに入ったら、もう一度通話して店舗の名前を教えてくれ。
とりあえず、これから道玄坂方面へ向かうから』
すでに、すぐにでも外に出られるよう支度を始めている。
「えっ、えっ、でも……」
あたしはしどろもどろになってしまう。
だって、ビデオ通話ということは、あたしの方だけじゃなく、諒くんの方だって見えるのだ。