お見合いだけど、恋することからはじめよう

「いや、もう帰る支度して『会社』から出てきたから、戻ることはないよ」

諒くんは、お父さんから就職祝いに贈られたものだという銀座TANIZAWAのブリーフケースを持ち上げて、あたしに見せた。

……だったら。

あたしはありったけの勇気を掻き集めて、諒くんに告げた。

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