お見合いだけど、恋することからはじめよう

「……ななみん」

諒くんは顔を(しか)めて、はぁーっと深いため息を吐いた。

……あぁ、またやらかしてしまった。

諒くんがあたしのことをどう思ってるのかなんてお構いなしに、自分一人で突っ走ってしまった。


「ご、ごめんなさい……やっぱり帰ります」

あたしは俯いて、悄気(しょげ)た声でつぶやいた。

すると、いきなり、ブリーフケースを持っていない方の手で、肩をぐっと引き寄せられた。

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