お見合いだけど、恋することからはじめよう
「……まさか、こんな場所で、一世一代のセリフを吐くことになるとはな」
諒くんはイラついた声でぼそりと言った。
しかし、気を取り直したかのように、
「……ななみん、顔を上げてくれ」
と言って、提げていたブリーフケースを地面に下ろし、両手であたしの両肩をぐっとつかんだ。
「こんなことをコンビニの前なんかで言うのは、不本意の極みなんだが……」
あたしは背の高い諒くんを見上げた。
諒くんは射抜くような強い目で、あたしを見つめていた。
「きみは、きちんとした見合いで知り合った上司のお嬢さんだ。今まで適当にやってきた『遊ぶ相手』とはワケが違う」
……えっと、ちょっと、なんか、突っ込んでじっくりと訊きたいことを、さらっとおっしゃってる気がするんですけれども。
にもかかわらず……あまりにも諒くんの目力がすごくて…………なにも訊けない。