お見合いだけど、恋することからはじめよう

「島村室長と光彩先生ってさ。
……大学時代、つき合ってたらしいよ」

「ええええぇーっ!?」

あたしは一気にムンクの叫びになった。
ここが小洒落た店じゃなく、スペイン風居酒屋でよかった。

「ななみん、耳痛ぁい。急に大声で出さないでよー!」

友佳が耳を押さえる。

「ご…ごめん、ともちん。あまりにも意外だったからさ」

あたしは手刀で謝る。

……いやいやいや、島村室長は副社長とは対極の「和風イケメン」だ。彼女の一人や二人、過去にいても全然おかしくないのだが。

気を取り直して、友佳がくぅーっと、モヒートを呑み切った。あたしも気を落ち着けるために一口、含む。

「なんでも、法科大学院のときに、司法試験の勉強に支障が出るからって、島村室長の方から別れを切り出したんだってよ?
光彩先生、気は超強いけど、すんごーい美人なのにさ」

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