お見合いだけど、恋することからはじめよう

「……だれが、『超優良物件』と見合いしたって?」

ラウンドしたテーブルの、あたしと友佳の間のハイスツールに、土屋鞄の黒いブリーフケースが置かれる。

「あ、下に籠があるよ」

と教えてあげると、彼は「サンキュ」と言ってあたしと友佳のバッグの脇にブリーフケースを入れた。

そして、長い脚で跨ぐようにして、ひらりとハイスツールに腰かけた。

すかさずやってきた店員さんから、おしぼりを受け取り「生ビール」と、落ち着いた低い声でオーダーする。

学生バイトと思われる女の子の店員さんの頬がぽっ、と赤くなった。


……青山 智史が来た。

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