お見合いだけど、恋することからはじめよう
「えええええぇーーっ!?」
友佳はムンクの顔でターザンの雄叫びをあげた。
「と、ともちん、声大きすぎっ!」
あたしには突然の大声による耳の痛さよりも、店内の人たちから一斉に浴びせられた視線の方が痛かった。
「ずるい、ずるい、ずるいいぃっ!」
友佳は駄々っ子のように身を捩った。
「仕方なかったんだよー。おとうさんから急に言われてさ。しかも、お見合いの相手はおとうさんの部下だよ?」
あたしはなんとか友佳の気持ちを落ちつけようと宥める。
「ななみんのパパって、エリート官僚じゃんっ!
……もしかして、お見合い相手も?」
友佳が恐る恐るという感じで訊いてくる。
「ん……まぁ、中学からの経歴は、うちのおとうさんとおんなじ、かなぁ?」
ふわっと答えておく。
「じゃあ、中学・高校は御三家の一つで、大学はT大法学部じゃーんっ!」
……はぁ、よくご存知で。
「そんなの、超優良物件じゃーんっ!!
やだぁっ、ななみんまで、あたしを裏切って幸せになる気っ!?」
誠子さん……もとい、誓子さんと同じこと言うなぁ。