その身体に触れたら、負け ~いじわる貴公子は一途な婚約者~ *10/26番外編
義理の娘に渡すようにと言付かったらしいけれど、実は領地に寄りつかなかった息子にこそ、食べて欲しかったのではないだろうかとオリヴィアは思いをめぐらせた。
だから彼も家族とのこれまでを受け入れられるようになっていればいい。苺を咀嚼するように、酸味も甘味も軽やかに咀嚼できればいい。
そんなことをつらつらと考えていたら、不意に指を吸い上げられた。かと思えば、かり、と歯を立てられる。
「待っ……!?」
声が裏返る。反射的に指を引き抜こうとしたが、叶わなかった。それどころか、フレッドの目はなんだか愉しそうでさえある。
「毒味中だから、待って」
「指は関係ないですよ……!」
オリヴィアが頬を赤らめて抗議しても、フレッドはどこ吹く風である。
彼の舌が熱く動き回るのを生々しく感じてしまって、オリヴィアはたまらず目を伏せた。
だから彼も家族とのこれまでを受け入れられるようになっていればいい。苺を咀嚼するように、酸味も甘味も軽やかに咀嚼できればいい。
そんなことをつらつらと考えていたら、不意に指を吸い上げられた。かと思えば、かり、と歯を立てられる。
「待っ……!?」
声が裏返る。反射的に指を引き抜こうとしたが、叶わなかった。それどころか、フレッドの目はなんだか愉しそうでさえある。
「毒味中だから、待って」
「指は関係ないですよ……!」
オリヴィアが頬を赤らめて抗議しても、フレッドはどこ吹く風である。
彼の舌が熱く動き回るのを生々しく感じてしまって、オリヴィアはたまらず目を伏せた。