御曹司くんに再会したら溺愛されました

私は溢れそうな涙を必死で堪えた。
声が喉で詰まって出てこない。
何かを口にしたら、そのまま涙が溢れてしまう。

「里奈…」

いや!
別れ話なんてしないで!
晴生が好きだって自覚したばかりなのに…
今、別れるなら、最初から放っておいて欲しかった…

「結婚しよう…」

………

え?

「恋人って立場が中途半端だから、
ダメなんでしょ?
だったら、婚約者になればいい。
それでもダメなら、奥さんになればいい。
でしょ!?」

は!?

「晴生?」

「ん?」

「バカ?」

「はぁ!?」

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