無感情なイケメン社員を熱血系に変える方法

「インテリアデザインの企画で働いてて、通勤時間15分のみの移動なら、そんなもの要らないってわかるでしょ」

相変わらず、無表情の駿太郎は淡々と答える。

「そうなんだね。だけど、ここで働く以上はシューズについて詳しくなってほしいと思う。そのためには実際に履いてもらうとその違いがわかると思うんだけどなー」

どんなに駿太郎が冷たく言っても彩月は笑顔で応対している。お客に対してもこの態度なら、売り上げトップも伊達ではないのかもしれない。

「足は何cm？」

「27.0」

「触ってもいい？」

彩月は駿太郎の足元に屈むと顔をあげて見上げてきた。笑顔がかわいくてドキッとするが、駿太郎の表情は変わらない。

駿太郎が頷くと、まずは駿太郎の革靴を片方脱がした。そして、計測板の上に足をのせた。

計測値のメモをとると、次は重心を測定する機械に駿太郎を乗せる。

「,,,はい、まっすぐ立ってみて」

駿太郎は彩月に言われるがままに行動する。一連の流れが終わると、駿太郎は革靴を履いて、彩月の後についていった。