無感情なイケメン社員を熱血系に変える方法
「インソール(靴底)だけでなく、シューズはね、人間の体を支える重要アイテムなの」

ランニングシューズが並べられているコーナーに行くと、彩月は、一足のシューズを駿太郎に差し出した。

「その良し悪しで体の重心が決まる。間違ったシューズ選びは体のあちこちに支障をきたすの」

駿太郎はシューズを受け取り、それをマジマジと見つめた。

「羽生くんは、前足の幅が広くないからEでいけると思う。走るときに爪先にかかる負担を考えると一センチ大きいサイズを選ぶんだよ」

Eとは横幅のこと。E,2E(ワイド)、3E(ワイド)、4E(スーパーワイド)まである。

「ちなみに私は2E。日本人の平均的なサイズね。普段運動しない人には多少重くても靴底が厚いものがオススメだよ?運動は足底に負担がかかるから、最初から薄くすると足底筋膜炎になったりするの」

渡されたシューズは有名メーカーの初心者向けだが、格好いいデザインであった。
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