あなたで溢れている

「勿体ね〜。修也ノリ悪り〜。キスくらいもらっとけばいいものを…ってお前昔からこの手のものは全部林でしかしたくね〜って奴だもんな〜。許してニャン。そういう奴だからさ〜」

ケタケタと夏井が笑う。

俺は夏井を思いっきり睨みながら、ゴシゴシとお絞りで手を拭いた。

その時フワッと香った。

「…修也?」

惚けたので夏井に呼ばれたようだ

「いや。なんか英里奈の香りがしたな、と、思って…」

俺が答えると

「香水スか?」

と聞こえ

「英里奈は香水つけてない。英里奈の匂いは間違えたことないんだけど…」

答えたら

「キモい」

と夏井に斬られた。
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