君と私
タイトル未編集
《プロローグ》«知里side»

「知里ちゃんはお人形さんみたいだねぇー!」
小学校の頃皆から言われた言葉。
「氷で作られた人形みたいで気持ち悪いわぁ」
近所のおばさん達がいつも言っていた。
私は笑ったことがない。
そして泣かない。
無表情...だ。
中学校では、
「栗花さん!綺麗だよなー」
男子が放課後教室で言っていた、
「顔は良くてもよぉー、性格冷たくね?」
冷たい...ね
「でもよぉー、付き合ったら変わんじゃね?」
変わるわけない
「お前は結局顔か?!」
楽しそうに笑った声が聞こえる
「おうよっ!、明日告白してみるぜっ!」
ほらね、顔ばっか、くだらない。
「んじゃー、帰るかっ!」
帰ろ。
1人で帰るのは慣れた。
いつも通りだ。
♡♡♡♡
「入学してから栗花さんのこと可愛いなと思ってて...」
今、昨日の顔だけ男に準備室に呼びだされ
告白されている。くだらない。
「そんで、その...俺と付き合って下さいっ!」
どうせ顔だけのくせに。
「無理。それだけ。」
自分でも冷たく言い放ったのは分かる
でもこんな奴に優しく言う資格はない。
「はぁ?!調子のんなよ!クソアマが!」
勝手に告白したのはそっちでしょ。
ありえないんだけど
「調子のんじゃねぇーのはそっちだろっ!」
廊下まで彼の声が聞こえたのか
男子が入ってくるなり叫んだ。
その男子は見覚えがあった。
誰だっけ
でも、私は面倒は嫌いだ
私は無言で教室から立ち去った。
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