一途な御曹司に愛されすぎてます
「淳美、そんなとこに突っ立ってないで中に入って座れって」


「あ、は、はい。失礼します」


 私は頭を下げて一礼してから、二十畳はありそうな洋間のリビングに一歩踏み込んだ。

 高い天井と白い壁。お洒落な観葉植物と前衛的なデザインのフロアランプ。ふわふわのラグ。

 そして壁面いっぱいの大窓の前に置かれた、黒革ソファーセットの長椅子に座った三人の女性が、私に注目している。


 真ん中の着物姿の女性は、おそらくお母さん。
 その両サイドに座っている、私よりも少し年上に見える女性ふたりがお姉さんたちなんだろう。

 彼女たちの突き刺すような視線から目を逸らし、恐る恐る向かいの椅子の横に立って、もう一度丁寧に頭を下げながらご挨拶をした。


「初めまして。矢島淳美と申します。本日はお忙しいところお時間をいただきましてありがとうございます」


 声を震わせながら必死に笑顔を作ったけれど、この状態じゃお母さんたちには、私の笑顔どころか頭のつむじしか見えないだろう。
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