一途な御曹司に愛されすぎてます
「初めまして。康平の母です。どうぞお掛けになって」


 抑揚のない、厳格そうな声に肝が冷えて、作り笑顔が固まった。

「し、失礼します」

 ビクビクしながら康平の隣に腰を下ろし、勇気を振り絞って顔を上げた。

 真正面で見るお母さんは、艶々した黒髪をスッキリとまとめた髪が若々しい。

 透け感のある淡い藤色の着物がとても上品でよく似合っている。


 お姉さん方は、年上らしき方がシャープなボブヘア。
 ボリューム袖のブラウスとサイドスリットが入ったタイトスカートの、いかにも大人の女性系。

 もう一方は、ロングヘアをふわふわに巻いて、光沢のあるピンクの花柄ワンピースに真っ白なカーディガンを羽織った乙女系。

 三人ともそれぞれの個性を表すように異なった服装だけれど、みんな共通しているのは、隙のないフルメイクと完全に無表情な顔。
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