一途な御曹司に愛されすぎてます
 背中に冷たい汗が浮いて、ザワザワと嫌な予感が胸の奥から込み上げた。


「母さん、受け取れないってどういう意味だよ。失礼だろ?」


 私の隣で声をあげる康平に向かって、お母さんは軽くため息をついた。


「ちゃんと昨日のうちに言っておいたでしょ? お母さんはそちらのお嬢さんに会うつもりはないから、連れてこないでって」



 まさかの言葉に、心臓が杭を打ち込まれたような衝撃を受けた。

 連れてくるな? そんなこと言われてたの?

 私、聞いてない。ひと言も聞いてないよ!

 弾かれたように康平を見たら、康平はチラッと私に視線を寄こして、バツの悪そうな顔で目を逸らした。

 そんな康平に向かって、今度はお姉さんたちが不満そうに声をかける。


「康ちゃんたら、彼女を連れて来ちゃえば後はどうとでもなると思ったんでしょ? 困った子ね」

「私、お母さんから電話をもらって急いで駆けつけたのよ? おかげでお友だちとのランチの約束キャンセルしちゃったわ」
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