一途な御曹司に愛されすぎてます
「だって反対されてることを知ったらお前、どうせ怖気づくだろ? 言ったところでどうにもならないよ」


 自分の心の言葉がそのまま返ってきて、二の句が継げず、空しく唇を動かしながら泣き笑いしてしまった。

 もう、ため息も出ない。悲しみを通り越して情けなかった。


 べつに康平を責めているわけじゃない。だって自分と康平じゃ釣り合わないことくらい知っていた。

 ただ、守ってもらえると思っていたんだ。

 私がつらい思いをしているとき、せめて隣で手を握ってくれると思っていたのに……。

 そんな考えが顔に現れたのか、康平が、自分の思い通りにならなかったときに見せるいつもの顔になった。


「着物くらいこれから勉強すりゃいいだろ? そんなの新城の家の嫁になるなら当然じゃないか」


 私はなにも答えず、ただヒリヒリと痛む心を抱えて康平を見上げ続けた。

 いつものように納得しない私に彼は眉をひそめる。


「なんだよ、その不満そうな顔は。一日も早く家族に認められるように淳美が努力すべきだろ? 俺と結婚したいなら当然じゃないか」
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