一途な御曹司に愛されすぎてます
 彼の言葉を聞きながら、心の中に大きな穴が開いていくのを感じた。

 その中に、私がこれまで大切に思っていた物たちが次々と放り込まれていく気がする。

 そして私自身も、深く暗い穴の中にどんどん沈み込んでいった。

 どうしようもないほど高い場所にいる康平の姿を、私は穴の底からぽつんと見上げているんだ。

 彼は手も差し伸べようともせずに、黙って穴の縁から私を覗き込んでいる。


 康平が、遠い。

 すごくすごく遠いよ。ねえ、康平……。

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