一途な御曹司に愛されすぎてます
 この専務さん、上品で紳士的なセレブだと思っていたけれど、もしかして一筋縄ではいかないタイプなんじゃない?

 いや、もちろん決して悪い人ではないと思うけれど。

 ……というか、そう信じたい。信じる根拠はだいぶ薄くなってきてるけれど。


「ああ、次の料理が来たようです。さあ、食事を楽しみましょう」


 絶妙のタイミングで次の料理が運ばれてきて話が中断した。

 目の前に置かれたお皿から漂う魅惑的なコンソメの香りが、私の鼻と食欲を強く刺激する。

 うわ、これまた澄んだ琥珀色が綺麗な、美味しそうなスープ。


「どうぞ召し上がってください。新鮮な地場産品を使ったシェフ自慢のスープです」

「い、いただきます」


 不可解な状況ではあることは間違いないけれど、相手は世界的な企業の専務さんだ。

 身元はしっかりしているんだし、こんな立派なホテルでまさか本当に犯罪に巻き込まれたり、命にかかわるようなことはないだろう。
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