嫌いな君を好きになる……
「泣いてごめんなさい。


助けてくれて、ありがとうございます。」

「俺は別に。
襲われてる子ほっとくほど冷たくないしな」

照れたように頭を掻く真くん。


「あいつらいったいなんなんだ?」


シルバーの髪を逆毛にした男が、聞いた。

ビクッ


思わず怖くて震えた。


だってーー


「狼みたいっ」


しまった。


つい本音が。

私は、真くんの後ろに隠れた。


「あは、狼だってよ、天(ソラ)。


怯えられてるしウケル」



「うるせーな、陣(ジン)。」


金髪のピアスの派手目な陣。


笑い転がる様な勢いだ。


「もっと優しく言わないとね。

桜ちゃん、君はなんであんな奴等に追われて居たの?」


優しく私に近づき目線を合わせた、茶髪の男の子。



「いつもです。
いつも、あんなです。
今までは逃げ切れてたけど、今日はーー。



怖かったッッ」


たった一人に、男が数人で勝てるわけない。


私は、怖かった。



今も怖くないは嘘になるけどーーー


彼らは助けてくれたから、信用できる。

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