蟲と世界

2話

私は夢を見た。長い長い夢を見ていた。
 自分は人間じゃなかった。人間とは全く別のもので作られていた。。大きさも今よりも未来の姿と言えるが、一番はそこではない。私の体には祖引きと器官がなかった。体が違う何かで埋め尽くされていた。
そして私には力があった。地球上の中で最も強いそれを持っていた。
しかし、それを使って人を殺していたのだ。何人も何人も、おそらく数えきれない。
私の理想とはかけ外れた私。自分を守るために人を殺し、私欲を満たす私。決してなりたくない未来であった。見える景色は鮮血の赤で埋め尽くされている。見えるそれは苦しみもがき恐怖で埋め尽くされたその顔。それなのに私は嬉しかった。体の芯まで喜びで埋め尽くされているのを感じた。嬉しい。愉しい。気持ちいい。もっと。もっと。モット。モット。モットホシイ。マダ。マダ。マダタリナイ…。タリナイ。
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