ミルクティ・インザスカイ
First
懐かしい景色だ、と思った。
久しぶりの晴天。秋独特の白みがかった空に、夕焼けが重なる。
私の、彼方(かなた)の好きな空。
彼方は小学生のころ、この空の色をミルクティだと言った。あの頃の私は彼方の言葉を鼻で笑ったけれど、今ならわかる。彼はすごい感性の持ち主であったと。

しかしそれがわかったところで、いま彼はいない。
あの日、を境に彼は私の前から姿を消した。何も言わず、ただ、この町からいってしまったのだ。
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