イジワル御曹司ととろ甘同居はじめます
「あの…私はなぜここに呼ばれたんですか?」

2人の視線が私に集まる。

「悪い悪い。実はね、今日同業者の集まるパーティーがMホテルであるんだ。本来なら社長夫妻が出席するところだが、今2人は新婚旅行でしかも船の中だ。そこで急で申し訳ないんだが2人で社長夫妻の代わりにパーティーにいって欲しいんだ」

「え?」

驚いたのは・・・わたしだけ?

部長は知っていたかのように黙って聞いている。

「そ、そんなこと急に言われましても私はパーティーなんて行ったこともないんです。それに私は一社員ですよ」

「だけどお前はもう七瀬だろ?」

部長の目が我が儘言うなと言わんばかりに睨んでくる。

だけど、だけど「私はまだ七瀬じゃなくて大沢です」って言いたくて言いたくて喉元まで出ているが、そんなことをここで言える雰囲気ではなさそうだった。
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