イジワル御曹司ととろ甘同居はじめます
手が離れたのは車を降りたときだった。

建一さんは無言で家に入るとリビングのソファにドカッと座りネクタイを緩めた。

私はどうしたらいいの?

でも話を出来る様な雰囲気とは言い難い。

明日も仕事だし、今日はこのまま部屋に戻った方がいい。

私はなにも言わず階段の手すりに手をかけた。

「みずほ」

建一さんに声をかけられる。

「は、はい」

どんな顔をしたら良いのかわからなくて背を向けたまま返事をする。

「今日は無理言って悪かったな」

「いえ、お役に立てずすみません」

だめだ。顔をみれない。

「そんなことはない。あのさーさっきの事だけど――」

「ご、ごめんなさい。初めてのパーティーで疲れちゃって・・・早く横になりたいので」

「・・・・・・わかった。おやすみ」
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